【宮城谷昌光 子産】物やしくみは、創るより維持するほうが力をついやす

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発よ、物やしくみは、創るより維持するほうが力をついやす。


子国に対する子駟の言。

晋軍が鄭国に攻め入った。
晋将は知罃である。
子国の息子僑(子産)は知罃が苦慮していると説く。

すなわち晋君は徳の力によって諸侯を総覧しようとしている。
しかし鄭の成公の逝去を知らずに攻め入った晋軍は、
このまま攻めてしまうと
君主が亡くなったばかりの国を攻めるという徳に悖る行為を行うこととなり、
かと言って他国の大臣や兵を集めておきながら、戦わずに帰るとも言えない。

子国から僑の意見を聞かされた子駟は、同じ内容を大夫たちに述べ、知罃の対応を見守った。
果たして苦慮していた知罃を救ったのは、晋の呼びかけに応じた魯国の仲孫蔑であった。
虎牢という邑に城を築き、鄭を圧迫したらどうかという仲孫蔑の意見を容れた。

築城の報を聞き、やられたと感じた子駟であったが、
子国にはこのように言い、行方を見守ることにした。
晋は不誠実である。
この築城の盟いも実行されるとは限らないのである。

子駟の言は今日にも通じる金言である。
「創る」を「始める」に置き換えてみると、更に良くわかる。
継続は力なりというが、まさしくその通りであり、
長く続いているということ自体、評価されて良い物事も多い。
見習うべきであろう。

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