【宮城谷昌光 奇貨居くべし】陰徳こそ福を招く
陰徳こそ福を招く
人相見の大家、唐挙が西忠に人相見の見料を全額負担するように言った際の
呂不韋の気付き。
楚の商人・西忠に対し、唐挙はお祓いとして見料の全額負担を求めた。
唐挙は西氏の家が将来没落することを予言し、その将来を迎えなくなくば
そのようにするべきと言う。
しかも負担の範囲は親戚・知人だけでなく、赤の他人でも同じようにせよ、
そしてそのことは内密にするように、と。
軽く見積もっても100人以上が集まると見積もった西忠であるが、
家が没落するよりは良いと、この負担を受け入れた。
見料の負担は相当な額にはなるものの、栄えている今の西忠には
すぐに取り戻せる額である。
しかし、一旦家が傾いてしまえば、同じ額の損も致命的である。
黙って行う善行が利を超えた本当の利になる。
唐挙は西忠にそのことを言外に教えていると呂不韋は理解した。
見料の負担は誰にも知らせずに行う訳であるから、
直接的に西忠に感謝する者はいない。
しかしその善行を行ったという事実は事実として残る。
例え人がそれを知らずとも、天地が知ることとなる。
それこそが徳を積むということであろう。
目に見える善行だけが善行ではない。
他人の評価をすぐに得られずとも、自分の信じた善行を行いたいものである。
2013/02/25 | 大切なことはすべて宮城谷昌光が教えてくれた 名言, 奇貨居くべし, 宮城谷昌光
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