【宮城谷昌光 奇貨居くべし】大きく棄てなければ、大きく得られないということもある

大きく棄てなければ、大きく得られないということもある。
危機を、好機の入口とみなす心胆の目が必要だ。


魏冄の失脚により、穣の倉庫に保管していた呂不韋の荷は全て没収されてしまった。
大損害と落胆する鮮乙を宥めた呂不韋の言。

呂不韋はこの後、荷の未着で迷惑をかけた賈人の家を謝罪してまわり、
その旅の最後に師である孫氏(荀況)と再会する。
涙ながらに師にまみえた呂不韋は、いつもながら辛辣な師の言葉に光明を得る。

例えばオセロを想う。
序盤に沢山駒を得てしまうと、終盤かえって手を打つ場所が無くなる。
また盤面を自身の色に染めすぎることは、一挙に反転を許すということでもある。
厳密にはこの例は「大きく棄てる」ということではないが、
物事には機があり、その機を得る為には常に無駄なものを持たないことを示唆しているようにも思える。

また、この言は萎んだ心に勇気をくれる。
負け惜しみかもしれないが、誰しもいつかは再起できるように世界は作られている。
その為の一歩を踏み出せるかどうかが分かれ目である。

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