【宮城谷昌光 孟夏の太陽】自分を制御して、礼に到達できる人を、成人とよぶ
自分を制御して、礼に到達できる人を、成人とよぶのです
礼とはなんであるかを趙鞅に問われた子大叔の言。
子大叔は鄭の国の宰相。
晋の朝廷が会議を開き、各国の首脳を招いて王室の安定について語り合った。
趙鞅は晋には見当たらない博雅な子大叔の風姿に惹かれて教えを請うた。
子大叔は自ら私淑した鄭の国の前宰相・子産が、礼とは、
「天の経、地の義、民の行」
であると説いていたことを示した。
天に規範を求め、地に道徳を学び、民がそれを実行していく。
一国の指導者は天地の規範を民に認識させる必要がある。
認識させなければ、民は実行しようがない。
礼とは、そのためにある、と。
成人とは、所謂大人になることで、心身が成長し一人前となった人物を指す。
この場合、成人とは一国を束ね、民を教導できる指導者のことを指すのであろう。
民に天地の規範を示す為には、自らが礼に到達していなければならない。
誰に教わるのではなく、天地に耳を欹てて、自らの力で至らなければならない。
真の成人とは、毎年新春に生まれるものではない。
成人となれずとも、礼に到達できずとも、
己を制御する、それを試みる気概だけは持ち続けたい。
2013/03/09 | 大切なことはすべて宮城谷昌光が教えてくれた 名言, 孟夏の太陽, 宮城谷昌光
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