【宮城谷昌光 奇貨居くべし】正義がしめされなければ、軍事や外交は、うまくゆくはずがない
正義がしめされなければ、軍事や外交は、うまくゆくはずがない。
楚は趙と結ぶため、和氏の璧を贈った。
その同盟を遮断したい秦はその動きを察知し、
早々に趙に使者を送った。
『十五城を以って、壁に易えん。』
秦の十五城と和氏の璧を取り替えよう、という。
和氏の璧は確かに当代の宝ではあるが、十五城は十五の都市を意味する。
果たして秦は本気でそのような交換を行うつもりがあるのか。
本気ではあるまい。
しかし断ることも出来ない。
断ることは、秦が即座に楚との同盟を遮断するために動き出すことになる。
かと言って、受けたとしても、秦は和氏の璧を取り上げ、十五城は得られないだろう。
閣議が続いた。
問題は趙は如何に正義を示すかである。
和氏の璧がどうなろうと、秦との対応の中に、趙は他国に対して正義があるところを
見せなければ趙のメンツが潰れるというものである。
このあと藺相如が使いに名乗り出で、
和氏の璧を全うして、また自分の命をも全うして帰国する。
これが後世、「完璧」の由来となる。
アジアの各国で首脳が交代し、
日本の軍事や外交は新たな局面を迎えている。
正義がしめされなければ、うまくゆくはずがない。
2013/03/18 | 大切なことはすべて宮城谷昌光が教えてくれた 名言, 奇貨居くべし, 宮城谷昌光
関連記事
-
【宮城谷昌光 三国志】兵の心を掌握したうえに用兵というものがあり
[note]兵の心を掌握したうえに用兵というものがあり、 用兵を先行...
-
【宮城谷昌光 三国志】知識の力は邪悪をのぞいて正義を樹てる力にはならない
[note]知識の力は邪悪をのぞいて正義を樹てる力にはならない。 ほ...
-
【宮城谷昌光 夏姫春秋】特になし
講談社文庫の夏姫春秋、下巻。 これと言って心に響く言葉は見当...
-
【宮城谷昌光 夏姫春秋】未来とは、占いのみによって、わかるわけではない
[note]未来とは、占いのみによって、わかるわけではない。過...
-
【宮城谷昌光 子産】物やしくみは、創るより維持するほうが力をついやす
[note]発よ、物やしくみは、創るより維持するほうが力をつい...
新着記事
-
「捗るぞ」ってのはこういうことなのね
更新しないうちに結構経ってしまった。 前回の更新以後、1つ歳...
-
倒れるまで働いた人を目撃
すき家が問題視されているワンオペを改めず、 店員が倒れたとい...
-
ログ・ホライズン見れないのも困るしね
今日はツインズの保育園進級式に出席。 彼らも早いもので下から...
PREV : 【宮城谷昌光 管仲】早くないことは遅いことだ
NEXT : 【宮城谷昌光 奇貨居くべし】人は自分の計算のなかに収まる人を心から尊敬しない
コメント/トラックバック
トラックバック用URL:
コメントフィード