【宮城谷昌光 奇貨居くべし】比類ない個に克つには、組織しかない
比類ない個に克つには、組織しかない。大衆の力があなどれないものであることを、
わたしは知っているが、貴門に育った信陵君にはわからぬであろう。
つまり、そこだけではなく、あれやこれやで克つ
わたしは知っているが、貴門に育った信陵君にはわからぬであろう。
つまり、そこだけではなく、あれやこれやで克つ
蒙驁が信陵君に克てるのかという申欠の問いに対する、呂不韋の答え。
呂不韋は、応候(范雎)の疎まれたため、軍事を握る機会を与えられなかった蒙驁に面会した。
この時蒙驁は六十になっており、半ば大軍を指揮する機会について諦めていたが、
呂不韋と会い、その胆知と才覚を感じると、いずれ国権を握る男かも知れぬと予感した。
呂不韋もまた、蒙驁に良将の素地をみた。
衒異や傲岸さは無く、属将や配下の心をつかむような人柄と、
不遇に耐えぬいた堅忍不抜を感じた。
後に丞相にのぼった呂不韋は、蒙驁を将軍に推挙し、
蒙驁もまた呂不韋の期待に応え、軍事における呂不韋の思想の具現者であった。
史実としては、結局のところ信陵君には敗れているものの、
呂不韋に推挙されて以後の軍功は素晴らしく、晩年には一年で二十邑を取るという驚異的な大功も樹てた。
呂不韋の知恵と蒙驁の軍才とが両輪となり、秦の拡大に寄与した。
良き友、良き仲間を得て、独りでは超えられぬ壁を穿ってみたいものである。
2013/04/21 | 大切なことはすべて宮城谷昌光が教えてくれた 名言, 奇貨居くべし, 宮城谷昌光
関連記事
-
【宮城谷昌光 三国志】兵の心を掌握したうえに用兵というものがあり
[note]兵の心を掌握したうえに用兵というものがあり、 用兵を先行...
-
【宮城谷昌光 三国志】知識の力は邪悪をのぞいて正義を樹てる力にはならない
[note]知識の力は邪悪をのぞいて正義を樹てる力にはならない。 ほ...
-
【宮城谷昌光 夏姫春秋】特になし
講談社文庫の夏姫春秋、下巻。 これと言って心に響く言葉は見当...
-
【宮城谷昌光 夏姫春秋】未来とは、占いのみによって、わかるわけではない
[note]未来とは、占いのみによって、わかるわけではない。過...
-
【宮城谷昌光 子産】物やしくみは、創るより維持するほうが力をついやす
[note]発よ、物やしくみは、創るより維持するほうが力をつい...
新着記事
-
「捗るぞ」ってのはこういうことなのね
更新しないうちに結構経ってしまった。 前回の更新以後、1つ歳...
-
倒れるまで働いた人を目撃
すき家が問題視されているワンオペを改めず、 店員が倒れたとい...
-
ログ・ホライズン見れないのも困るしね
今日はツインズの保育園進級式に出席。 彼らも早いもので下から...
コメント/トラックバック
トラックバック用URL:
コメントフィード